筋収縮の機構に関しては、成分的にはアクチン、ミオシンの二種の蛋白質が関与し、ATPがエネルギー供給源として消費されることが分かっていた。また、顕微鏡観察により横紋筋で明暗の帯が区別でき、収縮の際には明るい帯の幅が狭まることが知られていた。しかし、それ以上の具体的な仕組みは分からなかった。しかし電子顕微鏡ではそこに繊維状の構造が並んでいる事が確認でき、滑り説の重要な支持を与えることになった。
鞭毛と繊毛はいずれも微生物の代表的な運動器官として認められ、その動く仕組みには多大な関心が向けられていたが、全く分かっていなかった。電子顕微鏡によってその断面図が得られた時、そこに見られた構造はだれも予想しなかったものであった。そこに見られる構造は9+2構造と呼ばれ、それを構成する管状のものは微小管と呼ばれるようになった。その後、中心体も類似の構造からなることが発見され、紡錘体や細胞骨格など、細胞内の現象のあちこちで微小管が大きな役割を演じていることが明らかとなった。
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また、鞭毛と繊毛の二つの区別ははっきりしているものと考えられ、多細胞動物のものは繊毛と認められていた。しかし、電子顕微鏡によってそれらの断面像が得られた時、そこにはどちらにも全く同じ構造が発見された。このことから、鞭毛と繊毛が根本的に別のものであると見なされなくなった。
それまでは細胞分裂には有糸分裂と無糸分裂の二つがあると考えられていた。動物や高等植物の分裂では染色体が出現すると同時に核膜が消失し、分裂装置が形成されるが、原生生物の場合、核膜が消失しない例が少なくない。それらは核がくびれて分裂する無糸分裂とされていた。しかし、分裂期の核内の構造が判明するにつれ、それらの多くの場合に核膜内で染色体が形成されるなど、有糸分裂と同等の現象が起こっていることが判明した。現在では無糸分裂と言われているのはほんのわずかの例があるに過ぎない。
特に原生生物の場合、微小な藻類などでは細胞の表面に鱗状などの構造を持つ例がある。それらは光学顕微鏡では確認できないか、かすかに認められる程度の大きさしかない。走査電子顕微鏡の下では、その立体構造が観察できる。たとえば円石藻類や、ケイソウ類の殻表面の点刻などもこのような対象である。